2021年5月末の午後、Finanzamt(税務署)から1通のメールが届きました。
簡単に言えば「今日電話して‼」という内容。
何を聞かれるのか分からないので、不安ではありますが、役所の言うことなので素直に聞き入れて電話をすることに。
これまでの流れ
2018年と2019年に以前の会社でゴタゴタがあり、裁判をすることになったわけですが、一番最後の判決が出るまで、僕たちは税務処理ができない状態でした。
なぜなら、裁判所の判決次第で税務処理の内容が変わるためです。裁判所は「税務処理はすでに終えているはずなのだから、裁判をする理由がないので、取り下げるように」と再三、僕の弁護士に圧力をかけていたみたいなのですが、僕たちは「裁判所の判決」が欲しいため、取り下げないでいました。
弁護士が「税務処理はまだしていません」と裁判所に言っても、裁判官は「いや、既に終えているはず」となぜか聞き入れない。まぁ、ただ単に仕事をしたくないのでしょう。
結局、裁判所は判決を書いたのですが、法律に則っているとは言い難い内容。とは言え、責任を取るのは僕たちではないので、そのまま税務署に税務書類と共に送ったわけです。
税務関係の書類は裁判所の判決通りには行いませんでした。なぜなら、法律に則った判決とは言えないため。裁判所の判決通りにすると、どうやっても法律違反になるわけです。
僕たち自身は、裁判所の判決に不服はありますが、別に困ることでもないので、税務署には「裁判所はこのような判決を書いたのですが、意味が分かりません。税務処理は、自己判断で判決には背きますが、法律に則って処理をしようと思います」というような書類を同封。
裁判所の判決通りに税務処理を行うことは、税務署の規定に違反します。僕たちは、書かれてある規定を重視し、そちらに則って税務書類を作成して提出。
僕の弁護士がこれまでの流れを説明した書類も同封。また、相手側の主張も同封。こちらは裁判所に提出された書類を入れておきました。
税務署はあなた達の行動と考えを支持する
どのような内容になるのか分からないですが「電話して」と言われたら、するしかないですよね。
電話に出たのは、僕たちの税務書類を担当する人でした。
担当者には、以前から「裁判で遅れています。裁判の内容はこのような感じです」というのを報告していたので、ある程度は分かっているようでした。理由もなしに税務書類の提出をしないと罰金になったりするので、説明する書類を提出する必要があったわけです。
担当者に電話をしたところ、このようなことを言われました。
「内容は把握しました。税務署としては、あなたたちの行動を支持します。会社側の言い分は税務署としては容認できません。裁判所の判決は、法律に則っているとは思えませんが、私たちではどうしようもありません。私たちがあなたたちの税務書類を支持する証として、提出された税務書類をLandesarbeitsgerichtの判決には則っていませんが、受け付け、処理します。会社側の言い分は、税務署としては受け入れられない問題なので、法人担当者に必要書類を提出します。あなたがたの立場をもっとクリアにするために、いくつか必要な書類があるので送ってください。法人担当者が動くかどうかは私では分かりかねますが、あなた達はホイッスルブローワーとなり、捜査することはありません。あなたたちの情報が洩れることはありません。州をいくつも跨いで会社を作ったり、お金の移動をしているようなので、法人担当者がすべてを把握できるかは分かりませんが、よく行われることではあるので、このようなケースを担当する人に調査依頼の書類は提出します」
というような感じでした。
提出をしなくてもいい書類があったのですが、それらの内容もすべてクリアにしておくために、提出するように言われました。切手代やファックス代など、金額が小さく、大抵の場合は提出せずとも受け付けてくれることが大半なのですが、担当者は「すべてをクリアにして、あなたたちの行ったことが正当であることを、法人担当者に証明する」とのこと。
すべての書類は保存しているので、PDFにしてメールで後日送信。
最後に
まぁ、5年後、10年後、何かしらのアクションが税務署や税務裁判所(Finanzgericht)で起こるかどうか、誰も分かりません。恐らく何もないまま終わることかと思われます。
会社側が正しい税務処理をしていない(恐らく、正しく税務処理をすることが難しい)ことは明白ですが、行動を起こすほどの金額なのかどうかは微妙。多く見積もっても、数万ユーロぐらいですからねぇ。
もっと大きな金額であれば、張り切って仕事をするのでしょうが、そうでない場合は黙認されることが多いかなぁ、と思っています。
ですが、僕自身が不安なまま毎日を過ごすのはイヤなので、今回、裁判をして時間はかかりましたが、最終的には税務処理がシッカリと行われ、電話越しではありますが、税務署からの支持があったのは良かったです。当然ですが、書面で交わされたわけではないので、「何もなかった」となるかもしれませんが、僕たちが提出した書類は、Landesarbeitsgerichtの判決とは違います。ですが、税務関係の法律には則っているわけで、そちらが採用されたわけです。
裁判所って何のためにあるんでしょうね。費用と時間を返してほしい。
その後、「提出してほしい」と言われた書類はすべて提出し、仮の税務処理手続きが行われました。数週間したら、正式な手続きが終わり、返ってくる金額が分かるかと思います。それなりの額になりそうです。
正式な手続きが行われ、その後30日間、誰からも異議が出なければ、お金が返ってくるようです。
ひと段落してよかったです。
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